Public Space and Social Dilemmaとは
公共空間と社会的ジレンマ、あるいは公共空間における社会的ジレンマ
公共空間における社会的ジレンマは、現実にはいかにして解決されているのか?
一般に、社会課題、社会問題は、社会的ジレンマの側面を持つことが多い。
社会的ジレンマとしては(ゲーム理論を知らない一般の人びとにとっては)認識されているわけではないが、あるいはそれゆえにこそ、このジレンマ構造を現実には遂行的に解消・解決する仕組みができあがっているのではないか?それはどういったものだろうか?(調査的研究)
あるいは、現実の社会課題に直面して、ジレンマを解消・解決する仕組みを考えていかなければならない。どんな仕組みを考えていくべきか?(実践的研究)
自分では余裕がなくて動けないけど、誰かがやってくれればいいなぁと思うものは沢山あるだろう。たとえば公園や道に花を植えたり、子どもたちが遊べるイベントを商店街でやったり。そういった街を楽しくするような活動が盛んな地域とそうでない地域が明らかにある。この違いはなぜ生まれるのだろうか?(調査的比較研究)
こういったことが解くべき研究課題となる。
公共空間は、都市空間、公園、広場、ストリートなどがある。あまり公共空間のイメージはないが、森林、山林、里山、河川などの(人の手が入っているものも含めた)自然もまた公共空間である。特に、里山のような自然は、「コモンズ」として多くの研究蓄積があるが、このサイトでは、主には都市空間やまちづくりをテーマとする。
2020年の現在、当研究室を巡るまちづくりの潮流には、互いにあまり関係性がない、すくなくとも3つがある。第1に「リノベーションまちづくり」、第2にデータサイエンスやAIを駆使する「スマートシティ」など、第3にストリートピアノや街なかアートなどの「アートまちづくり」である。
アートまちづくりの例としては「渋谷ズンチャカ」なども注目される。
建築家主体の第1のものとミュージシャンやアーティスト主体の第3のものは関係がありそうだが、じつはそれほど事例は多くはない。第3の潮流にはたとえばピアノYouTuberによる音楽配信がなされており、ネット社会のテクノロジーを身につけた音楽家が活躍しているので、第2のデータサイエンスとも何らかの関係がありそうだが、今のところは不明である。第1のものと第2のものについては、株式会社ツクルバの「カウカモ」のようなリノベーション物件のスマホ閲覧サイトなどはあるものの、未開拓といえる。これらの潮流を意識的にクロスさせていくことが、研究の大きな指針といえる。
公共空間
都市・広場・公園・ストリート・公共施設(図書館・体育館・劇場...)、水辺(河川敷、海岸、湖)
自然・生態系
景観
社会的ジレンマ
自動車利用(交通渋滞・空気汚染)
東京一極集中(地方の活力低下・関係人口)
投票率低下(民主主義の機能不全)
気候変動
人材の青田刈り
組織のフリーライダー問題と鬱病(一部の優秀な人やNoといえない人に業務が集中)
キーワード
社会関係資本、シビックプライド、リノベーション、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)、PFI、データサイエンス、スマートシティ